ポンざるの汗に関する一考察
ニホンザルの研究(らしきもの)を始めて、早5年が経とうとしています。
しかし未だに知らないことだらけで、一般の方やフィールドワーク先の方から質問されて戸惑うことが多々あります。
たとえば。
「サルって汗かいてるところみたことないけど、汗かかないの?」
わたし生理学的なことは詳しくなくてー、サルは暑いときは無理しないですからねー極力体温あげないようにしてるんじゃないですかー
などといってこれまで逃げてきましたが!
とうとう証拠をみつけました!(実際に見つけてくださったのはフィールドワーク先の方なんですが)
みよ、鼻の頭に3滴、そして目の下に1滴!
どうみても汗かいてますよねこれ。たまたまこの形に水滴が落ちてきたとかないはず。
この観察だけで結論づけるのは科学的にアレなので文献もあたりました。
やっぱりポンざるは暑いと汗をかくそうです。ただし、実験下室温を40℃にしてもふだんとほとんどかわらないそうで、体毛のある皮膚を局所的にあっためて表面温度が38℃を超えるとやっと汗のつぶが浮いてくるそうな。
手のひらは29℃くらいでも発汗しているそうですよ。
(以上、霊長類の発汗機能に関する比較生理学的研究 中山ら(1975)霊長類研究所年報)
顔面についての記述がないのではっきりわかりませんが、体毛がないので手のひらと一緒なのかな?体温調節にどれほど役立ってるのかもよくわかりません。
写真のあの水滴は汗だと信じたい。
これから猛暑日があれば観察を続けたいと思います。
今日の結論:今の季節にポンざると握手するとじっとり感を味わえる。